研修中継ぎ表長崎手縫い

九州研修、後半戦!!

今回は九州研修の後半戦を綴って行きます。
大分から長崎へ。
全国の畳屋、しかも腕に覚えのある猛者が集まる勉強会に参加してきました。

早朝、小雨が降るなか細田さんの古民家を出発。
ここからは近くの駅から長崎まで電車の旅になります。

またまた細田さんに駅まで車で送って頂きました・・・
ありがとうございます、七島藺のPRがんばります。

しかし、あれ、おかしいな。
気分がちょっと、、、

そうです、前日に日本酒を飲み過ぎました。
めちゃくちゃ気持ち悪い。

なんとか電車で酔いを覚ますしかない。
寝よう、寝るに限る。

寝れません。
30過ぎのおっさんのアップはきつい物がありますね。しかし前歯がデカい。

本を読んでもダメっぽいのでもうひたすら耐える事に決めたころ、外の模様が。
湯布院、別府あたりですかね、猛烈に吹雪いてきてあたりは雪国状態でした。

こんななかで露天風呂に入ってみたいですね〜。
ですが我々の研修に遊びはありません。畳一筋まっしぐらです。

大分県、日田駅(ひた)にて下車、日田市にて営業されている猪熊畳店の猪熊さんと合流し車で長崎まで向かいました。
猪熊さん、ありがとうございました!
ちなみに日田市って下駄の名産地なんですね、マイ下駄は持ってないので今度行くときは下駄も見たいな。

道中、カンフー映画の話で盛り上がる先輩のお二人。
ジャッキー・チェンから始まり、サモ・ハン・キンポー、そしてベストキッドの話になりやっと参入出来ると思いましたが、ダメです。吐き気がヤバかったです。
勉強会に初参加にもかかわらず最悪のスタート。体調管理もしっかりしないと。

気を取り直し勉強会スタート。
TTMクラブ(たたみ・テクニカル・マネージメント)
畳の手縫いをはじめ寺社仏閣に納める特殊な畳『有職畳』(ゆうそくだたみ)の製法、また資質に見合うべく歴史から成り立ちまで知識を学ぶ勉強会です。
昼は実技、夜は夜学で講習会。夜中の2時までかかりました。

今回参加した人数は自分を含め32名。
その殆どが国家資格である一級技能士を取得した方ばかり。
中には普段から手縫いしている方も、猛者ばかりです。

僕はまだ訓練校在校生、、、
緊張しますね・・・

課題は毎回違うようですが、今回は手縫いによる板入れ畳の作成。
さらに、関東式と関西式を同時に作業。
代表である奈良県の浜田畳店の浜田さんが関西式を。
自分が通う訓練校の校長、小曽根畳店の小曽根先生が関東式を進めて行きます。

そう関東と関西と作り方が違うんです。
ちなみに道具も違います。

浜田さんによる関西式の平刺し縫い。

仕上げ方から、そこに至るまでの道筋、道具の使い方まで、何から何まで違うんです。
問題は『どうしてその作業をするのか。』。
普段の授業もそこを意識しながら作業して行こうと思いました。

材料にもこだわりがあり『中継ぎ表』を使用。

中継ぎ表。裏返すと穂先が飛び出ている。

藺草(いぐさ)を真ん中でつなぎ、表面には出さずに仕上げてある中継ぎ表。
丈は短いが良質な藺草を捨てる事なく、この技術なら表に仕上げる事が出来ます。
または根と穂先が変色する藺草の中心だけを使い、良いところだけ使用したり、幅の広い表を作るときに使われる織りの技法です。

↑の写真の上部に刻印があるところが表面、ヒゲがあるのが裏面。
この表を使用する場合、このヒゲををむしります。

裏返すと二列、ヒゲが並んでいる。

このむしるのが難しくてコツがあります。奇麗にむしらないと裏返しに使えないためです。
自分もやってみました!



ん・・・

愛ですね。先輩の愛を感じます。
皆さん笑顔で僕も嬉しいです。

進みます。

うまくやらないと、ちょびちょびっとヒゲが残ってしまいます。難しいですねぇ〜。

二枚の写真は関西式と関東式で裏側を比較。
もう殆ど畳屋さんにしか分からないと思いますが全然違います!
糸のかかり方を見て頂ければ分かりやすいと思います。

ほんの少しですが、自分も針を持ち縫う事が出来ました。
もう異常な緊張感なんですよ。周りは猛者の畳屋さんばかりで間近でじっくり仕事を見るんですから。
でも自分も同じように見ていたので文句は言えないですね。
怒られ覚悟で縫います!!

ですが、あれ?す、すべる・・・
き、緊張して手汗で滑る・・・

ズボンで必死に手汗を拭い、再開です。

余裕そうに見えますが手震えてます。

結果は散々でした。。。
僕がやったのは返し縫い。いつも訓練校では一寸四分の間隔で縫うのですが、この時は一寸。
いつもより細かいというの意識しすぎて細かくなりすぎました。
さらに同時に裏に藁を当てて縫うのですが、皆さんのが奇麗すぎて、、、
しかも糸を縫ってしまい、補修してもらうハメに。葉本さん、すみませんでした・・・

学校でがんばろうと思います。

TTMクラブ、夜学も含めなんとか無事に終了しました。
夜学では深く濃密な講習、実技では関西、関東に限らず各々の仕事の違いも比べられ大変勉強になりました。
これだけの人数が同時に仕事をする事はなかなかないですから。

代表の浜田さん、幹事の長崎の畳店の皆様2日間お世話になりました。
貴重な経験をする事が出来ました!ありがとうございました!
お店の仕事にも、訓練校での手縫いにも生かして行こうと思います。

九州研修旅行の模様をお送り致しました♪


『西田畳店』  創業140年。 
  『リフォーム二シダ』  内装全般なんでも。
西田光二
住所:東京都三鷹市牟礼6-12-9
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