畳訓練校手縫い

今週の訓練校!

五代目、奮闘記『今週の訓練校』
手縫いの作業を学ぶ畳訓練校の模様をご紹介します!

熊本での産地研修も無事に終え、訓練校では最後の授業が行われました。
最後の課題は『床の間』の制作です。

『床の間』は書院造から続く伝統的な和室の要素です。
掛け軸やお花を飾ったりと和室の顔になります。
茶道では茶人が茶会のテーマにそった軸を掛け、季節にあったお花を生けたり。
茶会を演出させる重要な機能があります。

『床の間』にもいくつか種類があります。
本床・蹴込床・踏込み床・釣り床・織部床・洞床・・・

結構たくさんあるんです。茶人の流派によって変わってきますが、一般的な和室ではほとんどが畳の敷いてある本床か一段上がって板張りの蹴込床が多いですね。

これが本床ですね、一般的な畳もあるのですが、板にゴザをまいた物もあるんです。
課題では後者の畳を制作していきます!
あ、ちなみに今回は一級技能士の試験課題にそって制作してます。
国家資格の一級技能士、受験できるのはおそらく三年後になります。

床の間用の畳には青い『い草』の畳表を使う事もありますが、龍鬢(りゅうびん)と呼ばれる畳表を使う事もあります。
龍鬢表は目が大きいのと初めから色がキレイに焼けているのが特徴です。

龍鬢表は『い草』の一本一本をはじめから天日にさらし美しく色変りをさせるそうです。
乾燥したい草はとても折れやすく、取り扱いも大変だと思います。
床の間用に特別に作られる畳表というわけですね。
今では農家さんが一名だけとなっているそうです。
そちらもいつか行ってみたいですね~。

あと縁は以前ご紹介した紋縁を使用します。
また縁の紋をキレイに出さないといけないので慎重な作業が続きます。

紋縁を半分に裂いて使います。
試験では支給される材料に限りがあり、綺麗に裂かないとあとでまずいことになります。
しっかりと寸法を測りながら縁を縫い付けていきます

細かい作業が続くので集中してます。
が、恥かしいですが僕は集中すると鼻息が荒くなるのと口が尖がってきます。
そうとう鼻息荒いです。
向かいを見ると同期の齋藤くんも集中してます。
さすが齋藤氏、合気道の達人なだけはあり、キマってます!

縁をひっくり返して裏に縫い付けていきます。
先に紋をキレイに折っておくのがコツ。

ひっくり返した時、先ほど裂いたのが影響してくるわけです。
一つ一つの工程が影響してきますね~。

う~~ん、なんとかなったかな!!!

そしたらこれを板に縫い付けていきます。
ん?板に縫い付ける。

どういう事かというと、下の写真の角材の所にノコギリで切れ目をつけ、糸を通して縫い付けます。

ぎこぎこと、切れ目をつけます。
ノコギリの刃を入れる角度と深さにも注意が必要です。縫い付けた時の力がいい具合にかかる所で切り込みを止めます。

そんなこんなで、このように切っていきます。

完成はもうすぐです!
先ほどつくったゴザを仮止めした状態。
普通の畳と同じように板をそらして、畳表をしっかりと張っていきます。

緩まないようにしっかりと縫い付けたら完成です!!

できました~!!
床の間を発見したら目の大きさに注目してみてください。
目がおっきければ龍鬢表です!

そして先日、訓練校の卒業式が執り行われました!!!
三年間通った畳訓練校も晴れて卒業となります!

私、卒業生代表で答辞を読み上げるのと、太ったのでスーツがパツパツで苦悶の表情です。
齋藤君、打ち上げの幹事なので段取りで頭がいっぱいです。

式は円滑に進行し、あっという間に答辞の番に。
熊本研修でもスピーチしましたが、苦手なんですよ!!

ほら口とんがってる・・・

この3年間は僕にとって多く発見や出会いのある時でした。
手仕事の難しさ、ひとつひとつの仕事の意味、受け継がれてきた知識など、
先生の授業から、何気ない話まで、全てが新鮮にまた貴重なお話を聞く事ができました。
そして手縫いの授業では奥深さと共に父の姿を思い出させるような場面が幾度もありました。
もしかしたら、父も同じように考えたかもしれません。

多くの畳職人が引き継いできた技術や知識がこの訓練校にはあるのだと気づく事ができました。

そして、OBの先輩の皆様にはいつも親身に接して頂き、貴重な経験をさせていただきました。
先人の皆様への感謝を忘れる事なく、卒業をし、ここで満足する事をなく職人として
一生をかけて学び修行に取り組んでいければと思います。

 

訓練校の諸先生、指導員及び組合役員の皆様の、OB先輩の皆様、そして同期の齋藤君と明木君、三年間、本当にありがとうございました。
SNSなどのプロフィールで修行中にしてましたが、一生修行中に変えます。

最後に担任の平岩先生と一緒に!!!


『西田畳店』創業140年。
『リフォーム二シダ』内装全般なんでも。
西田光二
住所:東京都三鷹市牟礼6-12-9
TEL 0422-44-3320
FAX 0422-49-9207
MAIL t-r-nishida@jcom.zaq.ne.jp

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